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羽毛布団とは?選び方やお手入れ方法まで睡眠健康指導士が解説!

羽毛布団とは?選び方やお手入れ方法まで睡眠健康指導士が解説! | オーダーメイド寝具

羽毛布団とは

羽毛布団とは、水鳥の胸の部分の羽毛(ダウン)を50%以上使用している掛け布団のことを指します。

ダウンが50%未満で、羽根(フェザー)が多く含まれているものは「羽根布団」と呼ばれます。羽毛布団は軽くて保湿性・保温性に優れており、特にダウンが多いほど暖かく高級品とされます。使用される水鳥には、ガチョウ(グース)とアヒル(ダック)があり、グースの羽毛はより高品質とされています。

かつては特権階級だけが使う高級品でしたが、昭和40年代からの羽毛の安価な輸入により、一般家庭にも普及しました。品質改良が進んだ現在では、「掛け布団と言えば羽毛布団」と言われるほど多くの家庭で利用されています。

羽毛掛け布団のメリット

軽くてあたたかい

羽毛は空気をたっぷり含むため、保温性が非常に高いです。そのため、他の素材と比べて軽量でありながら暖かさを保つことができます。ふんわりとした軽さが特徴で、体への負担が少なく、程よくフィットして優しく包み込んでくれます。

ムレを感じにくく、さわやか快適

羽毛は吸湿性と放湿性に優れているため、ムレを感じにくく、さわやかな快適さを提供します。布団の厚みを適切に調整することで、夏の寝苦しい夜にも快適に使用できます。季節を問わず通年通して快適に使える理想的な素材です。

長く快適に使える

羽毛掛け布団は、月に1~2回干すだけで簡単にメンテナンスができます。正しく取り扱うことで、長期間にわたって快適に使用できるため、コストパフォーマンスが高く、環境にも優しい素材です。長く使い続けられることで、結果的に経済的にもお得です。

羽毛

羽毛布団を選ぶ時の3つのポイント

羽毛布団を選ぶ際には、以下の3つの要素に注目しましょう。

羽毛(ダウン)

羽毛の種類や産地、ダウンの割合、詰め物の重量が重要です。特にダウンパワーという指標があり、これは羽毛がどれだけふくらむかを示し、高い数値ほど温かくて軽い羽毛布団となります。一般的には300~400dpが基準で、品質表示やラベルで確認できます。

側生地

羽毛を包む布団の生地(側生地)の素材も重要です。側生地がポリエステルなどの合繊だと羽毛の保温力が十分に発揮されないことがあります。良質な羽毛には、しっかりとした側生地を選ぶことが必要です。

キルト(縫製)

布団の中を区切るキルトの方法も大切です。例えば、4×5マスの立体キルトだと体にフィットしにくく、暖かい空気が逃げやすくなります。良い羽毛布団には、適切なキルトデザインが必要です。

これらの要素のバランスが取れているほど、羽毛布団の性能が高くなります。また、季節ごとに適した羽毛布団を選ぶことで、より快適な眠りを得ることができます。

具体的には、夏向けの肌掛け、春秋向けの合掛け、冬向けの本掛けなどがあり、それぞれの詰め物重量に合わせて選ぶと良いでしょう。

羽毛の種類・ダックとグースとの違い

ダックとグースにはそれぞれメリットとデメリットがあり、用途や予算に応じて選ぶことが大切です。どちらも高品質な羽毛布団を提供しているので、自分のニーズに合ったものを選びましょう。

ダックとグースの違い

ダック(アヒル)

雑食性で特有の臭いが強く、羽毛が劣化しやすいですが、価格が安く、初心者や来客用に適しています。

グース(ガチョウ)

草食性で臭いが少なく、羽毛が劣化しにくいです。ダウンボールが大きく、保温性が高いですが、ダックよりも高価です。

マザーグース

最も高級で、長期間飼育されたグースの羽毛を使用します。保温性が非常に高く、耐久性にも優れています。

グースが優れている理由

ニオイ

ダックは雑食性であり、グースは草食性です。このため、グースの羽毛はダックに比べて獣毛臭が少なく、臭いに敏感な人には適しています。

劣化しにくさ

グースの羽毛は小羽枝が細く均等に配置されているため、使用しても丸まりにくく、長期間良い状態を保ちやすいです。対して、ダックの羽毛は繊維が太く偏っており、使用するうちに丸まりやすく、劣化しやすいです。

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キルトについて

キルティングは、布団の中の羽毛が偏らないように区切る技術で、一つ一つの区画に羽毛が充填されています。この技術により、羽毛布団の保温性や寝心地が大きく影響されます。

以下、代表的なキルトの種類とその特徴について説明します。

キルトの種類 特徴 用途 欠点
平キルト(ヨーロッパキルト/叩きキルト) 側生地の表と裏を直接縫い合わせる方式です。 主に夏用の肌掛け布団に使用され、縫い目から熱や湿気を逃がすことで快適な睡眠環境を提供します。 冬用には不向きで、暖かい空気が逃げやすいです。
立体キルト 裏表の縫い目の間にマチを作って厚みを持たせる方式です。 冬用の羽毛布団に最適で、縫い目からの熱の逃げを防ぎ、保温性を高めます。 羽毛が移動しやすく、長期間使用すると偏りが発生することがあります。
ツインキルト(二重キルト) 立体キルトの改良版で、羽毛を上下に分ける仕切り布を入れ、上側と下側でキルトの数を変えています。 寒冷地や寒がりの方に適しており、非常に保温性が高いです。 重量が増し、ドレープ性(肌の添いやすさ)が低下する場合があります。
デュエット(二枚合わせ) 夏用と春・秋用の羽毛布団を分割し、冬には両方を合わせて使用するタイプです。 オールシーズン使用でき、特に冬には2枚重ねて保温性を高めます。 コストが高くなり、重量も増すため、かさが低くなることがあります。
完全立体キルト キルトのマスを完全に独立させ、羽毛の偏りを完全に防ぐ構造です。 長期間使用することを前提とした、高保温性の羽毛布団に適しています。 縫製に手間と時間がかかり、コストが高くなりますが、その分品質も高いです。

側生地について

羽毛布団の側生地は、羽毛の柔らかさと保温性を最大限に引き出すために非常に重要です。以下では、側生地の素材とその特性について詳しく説明します。

素材 特徴 利点 欠点
ポリエステル 合成繊維であり、非常に丈夫で軽量、安価です。洗濯できる羽毛布団に使われることが多いです。 丈夫で細くしやすいため、コストパフォーマンスに優れています。 吸湿性が低く、ムレやすい。また、生地がカサカサと音を立てることがあります。
綿 天然繊維であり、吸湿性、放湿性、透湿性に優れています。さらっとしていて快適に使用できます。 年中快適に使え、肌触りが良いです。原料の産地や品種によって品質に差があります。 近年やや高価になっており、原料の供給状況によって価格が変動します。
シルク 天然繊維で、動物性タンパク質を主原料としています。独特の光沢となめらかな肌触りがあります。 肌に優しく、贅沢な質感があります。 他の素材に比べて高価です。

混成比率

側生地にはポリエステルと綿が混成されることがあります。これにより、特性や価格が異なる様々な製品が生まれます。

素材 比率 特徴
T/TC(テトロン/テトロンコットン) ポリエステル85%、綿15% 軽量で安価ですが、ポリエステルの特性が強く出てムレやすいです。
T/C(テトロン/コットン) ポリエステル65%、綿35% 綿の比重が高くなり、表側に綿が来るように織ることで、ドレープ性が良くなります。
綿100% 番手と織り方によって質感が変わります。100単、140双などの高番手の生地は柔らかく、軽いですが、耐久性に欠ける場合があります。

側生地の選び方

側生地の素材は、快適な睡眠に大きく影響します。基本的には綿100%が最もおすすめですが、用途に応じて選ぶことが大切です。

超長綿

細い糸で編まれた生地は柔らかくて軽く、吸湿発散性に優れています。大人向けです。

60番糸

耐久性が高く、お子様や寝返りの多い若い方に適しています。

サテン織り

肌触りがなめらかで、上質な寝心地を提供します。

羽毛布団のお手入れ方法

羽毛布団を長く快適に使用するためには、適切な手入れが重要です。

お手入れの頻度

羽毛布団は月に1~2回、干すことが推奨されます。特に、湿度が高くなりがちな布団は、ダニやカビが繁殖しやすく、アレルギーや疾患の原因になることがあります。

適切な干し方を心がけることで、これらのリスクを減らし、羽毛布団の寿命を延ばすことができます。

干し方のポイント

頻度と時間
  • 目安は月に1~2回、夏は30分、冬は1時間程度。
  • 長時間の天日干しは避ける。片面を干したら、裏返してもう片面も干すと良い。
天候と時間帯
  • 湿度の低い、晴れた日に干す。
  • 午前10時から午後3時の間に干すのがベスト。
  • 雨の翌日や湿度が高い日は避ける。
直射日光に注意
  • 直射日光は側生地を傷めるため、布団カバーをかけたまま干す。
  • シーツや市販の布団天日干し用カバーを使っても良い。
布団を取り込んだ後
  • 広げて熱を冷まし、湿気を逃がす。

洗い方のポイント

羽毛布団
  • 厚手の羽毛布団は基本的に洗えませんが、薄手の肌掛けタイプは家庭で水洗い可能なものもあります。
  • 汚れた部分は、濡れた布で拭き取り、つまみ洗いをしてから十分に乾燥させる。
カバー
  • 上質で柔らかい素材のカバーを選び、こまめに洗濯する。
  • カバーの内側についた紐を布団のループにセットしてズレを防ぐ。

収納・保管

羽毛布団を保管する際は、良く乾燥させてから通気性の良いシーツなどに包み、湿気の少ない場所で保管します。

重いものを上に乗せず、押し入れの上段などに保管しましょう。使用しない間でも、定期的に日に干し、押し入れも乾燥させることが重要です。

羽毛の吹き出しとニオイ

長期間使用すると、羽毛や羽軸が生地の間や縫い目から出てくることがあります。

これを防ぐためには、羽毛布団をやさしく扱い、出てきた羽毛は内側から戻して、生地目を押しつぶすように整えます。また、新品の羽毛布団には特有のニオイがある場合がありますが、日干しや使用するうちに薄れていきます。

羽毛布団の買い換え時期

以下の項目に当てはまる場合は、買い替えを検討しましょう。

買ってから10年以上経っている 羽毛布団の寿命は通常10年程度です。それ以上使用している場合は、新しいものに買い換えることを検討してください。
ボリュームが無くなってきた ふんわり感が失われ、ボリュームが減少してきた場合は、保温性が低下している可能性があります。
へたってきて寒い 布団がへたって保温性が落ち、寒さを感じるようになった場合は、買い換えのサインです。
カバーを外すと中に羽毛が付着している 羽毛が布団カバーに付着している場合、羽毛が漏れ出している可能性があります。
側生地が傷んできた 側生地に破れや摩耗が見られる場合は、布団全体の耐久性が低下しています。
汗や皮脂で汚れている 長年の使用で汗や皮脂が染み込み、布団全体が汚れている場合も買い換えを検討しましょう。
においが気になる 羽毛特有のにおいが強くなってきた場合、洗浄しても取れないことがあります。

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この記事を書いた人

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FineOne(ファインワン)店主 上級睡眠健康指導士

山下 結子

寝具に携わって25年以上、皆様の豊かな眠りをサポートするべく、日々研究を積み重ねています。
自分自身、共働きの三人の子どもの母として、疲れた時は寝る!悩みや心配事があっても寝たら気持ちが軽くなる!そんな「魔法の布団を創りたい!」と思いながら、毎日が少し豊かになる睡眠カウンセリングを心掛けています。

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